卵は一つのカゴに盛るなという有名な格言。
実際にある程度の分散は必要だとは思います。
だけど先日もeMAXISの2つのバランスファンドを比較をした時にも書いてたんですけど、バランスファンドって債券比率も多くてイマイチな気がしてました。
私がバランスファンドに乗り気ではない理由の一つとして、株と債券は比較的逆の相関にあるといわれますけど、リーマンショックの時には全部下がったんですよね。
それどころか、ギリシャショックをはじめとしてPIIGSの問題も浮き彫りになり、とことん下がりました。
それならばということで、あえて債権を含めず株式投信をメインとして積み立てています。
ただ、改めてバランスファンドと先進国株式のファンドのリターンを比較してみましたが、リスクが大きい株式ファンドの方が積み立てられた口数は少ないのに儲かるという面白い結果になったと思います。
先進国株式ファンドとバランスファンドとの比較
両者の比較方法
- eMAXISのHPから設定来のCSVデータをダウンロード
- 今回の比較対象は8資産均等型と先進国株式インデックスとする
- 8資産均等型の方が設定が遅いので、スタートを2011年10月31日に合わせる
- 毎日1000円の買付を行ったとして、どちらが大きな資産になったかを比較

8資産均等型は2011年10月に、先進国株式は2009年10月に設定されています
比較シミュレーション

2011年10月から2019年12月までの膨大なデータはこちらのページにあります。

スタート時
eMAXISバランス | eMAXIS先進国株式 | |||
基準日 | 基準価額 | 積立口数 | 基準価額 | 積立口数 |
2011/10/31 | 10,100 | 990 | 9,696 | 1,031 |
2011/11/1 | 10,058 | 994 | 9,478 | 1,055 |
2011/11/2 | 9,882 | 1,012 | 9,148 | 1,093 |
2011/11/4 | 9,988 | 1,001 | 9,432 | 1,060 |
2011/11/7 | 9,979 | 1,002 | 9,386 | 1,065 |
2011/11/8 | 9,944 | 1,006 | 9,393 | 1,065 |
2011/11/9 | 9,973 | 1,003 | 9,463 | 1,057 |
2011/11/10 | 9,773 | 1,023 | 9,143 | 1,094 |
小数点以下で誤差が生じているかもしれませんが、見方としては2011年10月31日時点で1000円で積立てられるのはバランスの方が990口、先進国株式の方が1031口とご理解ください。
直近のデータ
eMAXISバランス | eMAXIS先進国株式 | |||
基準日 | 基準価額 | 積立口数 | 基準価額 | 積立口数 |
2019/12/2 | 21,179 | 472 | 29,203 | 342 |
2019/12/3 | 21,022 | 476 | 28,821 | 347 |
2019/12/4 | 20,940 | 478 | 28,476 | 351 |
2019/12/5 | 21,017 | 476 | 28,748 | 348 |
2019/12/6 | 21,042 | 475 | 28,767 | 348 |
2019/12/9 | 21,065 | 475 | 28,954 | 345 |
総積立口数 | 1,252,889 | 1,093,773 |
ちなみに、2011年10月31日~2019年12月9日までの期間の積立て回数は1986回という結果になりました。
結果
バランスの結果としては125.2889万口の積み立てに対し、同日の1万口当たりの基準価額が21,065円ですから、
125.2889(万口)×21,065(円/1万口)=2,639,210円
先進国株式の結果としては109.3773万口の積み立てに対し、2017年10月11日の1万口当たりの基準価額が28,954円ですから、
109.3773(口)×28,954(円/口)=3,166,910円
その差が約53万円となります

2017年10月13日の記事公開時点では、
先進国株式が 89.461(口)×25,333(円/口)=2,266,315円
バランスが 98.5998(口)×19,310(円/口)=1,903,962円
その差が約36万円という結果になっていました。
ちなみに銀行で積立を行った場合、同期間で1986回1000円を積立ててますから合計は1,986,000円なんですけど、金利を含めても200万という数字にははるか遠い金額となります。
そう考えると、いかに貯金だけではお金が貯まらないかよくわかりますね。
株式ならではのリスクの大きさは把握しておきたい
やはりシミュレーションした時期がこれだけ経済が好調な時期ではありましたし、株式100%のほうがリターンは大きくなりました。
こちらは積立期間中の最高値と最安値をピックアップしたものです。
eMAXISバランス | eMAXIS先進国株式 | |||
---|---|---|---|---|
最高値 | 2019/11/28 | 21,218 | 2019/11/29 | 29,292 |
最安値 | 2011/11/24 | 9,291 | 2011/11/24 | 8,465 |
設定された時期が違うとはいえ、やはり投資信託といえど株式のリスクは大きいですね。
積立投信を選ぶにあたって、このリスクの大きさというものは一つ頭に入れておいたほうがいいと思うのです。
10%下がって10%戻ったらマイナス
足し算を考えると、10%下がって10%戻ったら元に戻るような気がしますけど、税別1万円のものの1割引って、いくらになります?

1万円の1割引きなので9,000円ですが、消費税が10%なので9,900円ですね。

もとの商品にも消費税がつくだろ!

それは黙っといて!!(;・∀・)シー
最後のは余談ですが、たった1%とはいえリスクが大きければ大きいほどこういった現象が起きる可能性があるのは事実です。
1.01の法則と0.99の法則
さらに、この1%の違いが1年間続くとどうなるか。
1.01(101%)と0.99(99%)の法則という興味深い計算があります。
1年間継続して1%の利益を上げ続けた場合、逆に1年間1%の損失を繰り返した場合の計算式はこのようになります。

資産運用において、常に右肩上がりだったり右肩下がりということはないので、机上の空論ではありますが、計算上1年間継続されると片や37倍になるにも関わらずもう片方は0.02と、ほぼ0に近くなってしまうことは頭の片隅入れておいてもいいかもしれません。
ドルコスト平均法を使ってリスクの大きさをカバー
じゃあやっぱりバランスファンドのほうがいいのかな?というときに考えたのがドルコスト平均法です。
先程の例で買い付けた場合、どうなるのかシミュレーションしてみました。

リスクの大きい商品は10%下落後に10%回復するものとして、リスクの小さい商品は5%下落後に5%回復するものとしています。
リスクの大きい商品 | リスクの小さい商品 | ||
---|---|---|---|
基準価額 | 積立口数 | 基準価額 | 積立口数 |
10,000 | 1,000 | 10,000 | 1,000 |
9,000 | 1,111 | 9,500 | 1,053 |
9,900 | 1,010 | 9,975 | 1,003 |
3,121 | 3,056 |
リスクの大きい商品の場合には3,121口、リスクの少ない商品の場合には3,056口積み立てられました。
この評価額を10%回復した9,900円と、5%回復した9,975円で算出します。
株式ファンド 9,900×3,121/10,000=3,090
バランスファンド 9,975×3,056/10,000=3,048
株式ファンド>バランスファンド
となり、リスクの大きい商品のほうが儲かるという結果になるのです。
▽以前、投資信託をシャーペンの芯のバラ買いにたとえた記事を書いたことがありますけど、1口単価が安い投資信託とドルコスト平均法の組み合わせは非常に相性がいいのです。

バランスファンドに対する検討
買いっぱなしにするならバランスファンドがいいのかも
eMAXISのバランスファンド、特にネット証券専売のeMAXIS Slimは信託報酬も安く、保有期間のコストを大変小さく抑えることができます。
もちろん一つのファンドですべてに投資できるお手軽さも含め、分散投資がこれ1本で出来てしまうという面では素晴らしいです。
ですがシミュレーションの結果を見る限り、リスクを抑えた半面リターンも抑えられているという印象は強いです。
私としては積極的にリターンを取りに行くために、リスクの大きい株式ファンド1本でいきたいと思いますが、もし買いっぱなしにするのであれば、やはり損失を小さく抑えられるバランスファンドの方がいいのかな?と漠然と考えます。
バランスファンドに関する当ブログ記事
私は以前eMAXISバランス(波乗り型)を保有していましたが、結局バランス(8資産均等型)に負けました。その時のことを参考にして、eMAXISバランスの8資産均等型と波乗り型の比較もしていますのであわせてご覧ください。
もしもバランスでありつつ株式比率を高めリスクを選好してみようと思うのであれば、たわらノーロードバランス(積極型)とかどうでしょうか。
≫たわらノーロードバランス(積極型)はリスクを取りたい人にはおすすめのバランスファンド
バランスファンドの一つとして年金積立金管理運用独立法人のGPIFのポートフォリオを元につみたてNISAからファンドを選んでみましたのであわせてご覧ください。
≫GPIFのポートフォリオをつみたてNISAのバランスファンドから選んでみる
まとめ
今回のシミュレーションは2011年以降で、比較的経済が安定していて時期が良かったから・・・という見方もできると思います。
ただドルコスト平均法で積み立てを考えた時には、下がるときにはしっかり下がった方が買付単価も下がりやすいですから、良い結果を導きやすいと思うんですね。
また、新興国の株式に将来的なポテンシャルを秘めてるとしても、新興国の株式が回復する時には先進国の株式も回復してると思うんで、そういった意味でも先進国株式は一本持っておくといいんじゃないか?と考えてます。
※このデータは将来の予測をしたものではなく、個人の趣味・興味の元に行ったシミュレーションです。投資は個人の判断において行ってください。
▽今回のデータを使って究極のドルコストになるか検証してます
毎日積立という究極のドルコスト平均法はつみたてNISAでも威力を発揮するのか?

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