国内では先細りのバイク人口。
一部で若いころに乗っていたライダーが40代、50代になってリターンライダーとして戻ってきてはいますが、少子化も手伝ってか年々減少を続けています。
もちろんバイクなんてものは道楽趣味でもありますし、子供の教育資金や老後へのお金の不安を考えると、生活に必要のないものへの出費を抑えたいというお財布事情は確かにあります。
ですが実は日本には4つのメーカーがあり、それぞれがレース界でも常に上位を狙える優秀なバイクを生み出してきました。
今回はそんなバイクメーカーを資産運用の視点から見てみたいと思い、この記事にいたってます。
こちらは各メーカーの正式な社名と銘柄コードなどを一覧にしたものです。
メーカー | ホンダ | ヤマハ | スズキ | カワサキ |
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社名 | 本田技研工業 | ヤマハ発動機 | スズキ | 川崎重工業 |
銘柄コード | 7267 | 7272 | 7269 | 7012 |
株価 | 2,960 | 2,160 | 4,780 | 2,321 |
配当利回り | 3.78 | 4.23 | 1.55 | 3.02 |
一社ずつ見ていきたいと思います。
ホンダ:本田技研工業(7627)
本田宗一郎が創業した本田技研工業。
一番有名なのはカブではないでしょうか。1958年に誕生して以来累計生産台数1億台というバイクで、郵便や新聞配達などに使用される強心臓を持つ50ccバイク。
現在はバージョン違いで多くのカブが販売され、多くのカブ愛好家もいらっしゃる人気のバイクです。
ホンダはCB系をはじめ名車と呼ばれる車種は大変多く存在します。
過去には楕円ピストンを持ち1シリンダーあたり8バルブを持つ750ccバイクNRは新車価格520万、近年ではRC213V-Sがなんと2190万円という値段で発売されています。
売上は4大メーカの中でも断トツ
売上高(億) | 150,500 |
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総資産(億) | 204,191 |
自己資本比率 | 40.5 |
ROE | 6.89 |
営業CFマージン | 4.88 |
PER | 9.06 |
PBR | 0.62 |
売上は15兆と、全メーカーの中でも断トツです。
バイク事業の割合は?
バイク事業は全体の13.3%の売上となっています。
じゃあ、メインは?というとやはりホンダは自動車で70%越えの売上を占めます。
その他には小型エンジンを使ったものやアシモに代表されるロボット事業、金融サービス事業などがあります。
金融事業サービスに至っては、二輪事業より売上が多いんだ
また96期四半期報告書によると、販売台数ベースでバイクは90%、車に至っても42.7%がアジアで売れていて、国内での販売台数は二輪車では1%、車では14.2%しかないという驚愕の事実です。
でも台数ベースと金額ベースだとまた変わってきそう
新興国で売れる10台分のバイクが国内では売れてたりするだろうしね
日本では珍しい年4回の配当金がもらえて株主優待も
ホンダは配当性向を30%を目安として、配当利回り3%超えとなっています。
また配当金は年1回から2回が一般的ですが、ホンダは年4回配当がもらえます。
株主優待は鈴鹿サーキットかツインリンクもてぎへの優待がもらえます。
優待券で、駐車場や入園料が無料かアミューズメント優待料金のどちらかが選べますが、1枚で5名まで利用できるとあって、なかなか魅力的な優待です。
その他にも応募制で施設、レース・イベントへの見学やカレンダーがもらえるなど、なかなかの充実ぶりです。≫株主優待について
でも、遠方の人には使い勝手良くないね(´;ω;`)ウッ…
そこでメルカリでホンダの株主優待がどれくらいで売れているのか調べてみたところ、大体1500円から1600円ほどでは実際に売れているみたい。
なので配当を含めて、株主優待を売ると利回りで4.2%ほどにアップします。
ヤマハ:ヤマハ発動機(7272)
最近人気高配当銘柄で人気のヤマハ発動機。
バイクメーカーの中で名車と呼ばれる車種は少ないながらも、SR400なんかは1978年に発売されて、現在も販売される名車中の名車の一つ。
そして、私の愛するXJR、このバイクがなければ今の自分もバイクに乗ってなかったのではないかと思う1台です。
これもれっきとした名車の一つ!
自己資本比率高め
売上高(億) | 16,700 |
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総資産(億) | 14,208 |
自己資本比率 | 46.3 |
ROE | 11.76 |
営業CFマージン | 3.52 |
PER | 9.3 |
PBR | 1.09 |
さすがヤマハというべきか、自己資本比率も高めなのは安心感があります。
トヨタも大株主の一つ
映画「007」のボンドカーにも採用された2000GTをトヨタと一緒に開発したこともあり、その後も多くのトヨタのエンジンをヤマハ発動機が作ってきました。
有名どころでいうと、2リッター6気筒エンジンの1Gエンジンなんかは、トヨタ3姉妹と呼ばれたマークⅡ、チェイサー、クレスタのほかにも長く搭載されましたし、レビトレと呼ばれたライトウエイトスポーツカーにも1.6リッターの4AGエンジンが搭載されていました。
その後2.5リッター6気筒エンジンの1Jエンジンや2リッター4気筒エンジンの3Sエンジンも人気でしたね。
ヤマハの売り上げ構成比は?
事業 | 売上構成比 |
---|---|
二輪事業 | 61.1% |
マリン事業 | 20.6% |
特機事業 | 9.2% |
産業用機械ロボット | 4.2% |
サーフェスマウンター | 4.9% |
そっかー、これだけバイク人口が減ってるにも関わらず、ヤマハ発動機の60%が二輪事業だと、先行き怪しいなぁ
と思ってたんですけど、市場別の売上高を見ると、ヤマハ発動機全体で日本での割合はわずか10%。
大半がアジアをはじめとして海外での売上が占めています。
為替の影響とか大丈夫かしらん??
ちょっと気になるところではありますが、銘柄としてかなり気になったので、今後もう少し掘り下げてみてみたいと思いました。
高配当利回りで優待もあり
ヤマハ発動機の配当は年間90円の配当が予定され、配当利回りは約4.2%ほどになります。
優待は保有株数や保有期間に応じてポイントがもらえ、そのポイント数の中から選択できるようになっています。
一例としてHPではJリーグジュビロ磐田の観戦チケットやラグビーの観戦チケットなどが紹介されていますが、メルカリで売られている一例を見るとカレンダーやラグビーボールも出てきます。
しかも実際に売られた値段がカレンダーでも1800円程度、ラグビーボールは2000円以上で売られているものもあってびっくり。
優待も売ってしまうと5%以上の利回りになりますし、めっちゃ興味が沸きました
スズキ:スズキ(7269)
スペック的にもデザイン的にも癖が強いのか、スズキのバイク乗りは鈴菌(スズ菌)と揶揄されるほど。
かつて私も鈴菌の感染者でした。
この刀をはじめとして名車も多く存在し、中でも「隼」は一般の市販車でありながら最高速度310km/hという記録を樹立しています。
大半が自動車、そして海外はアジアがターゲット
売上高(億) | 35,000 |
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総資産(億) | 34,019 |
自己資本比率 | 40.9 |
ROE | 9.88 |
営業CFマージン | 9.9 |
PER | 15.75 |
PBR | 1.56 |
配当利回りでは4メーカー中一番低いスズキですが、自己資本比率も40%越えとなっています。
一応国内では世界的なバイクメーカーの一つであるスズキですが、スズキ全売上の二輪車に占める割合はわずか6~7%とごくわずか、更に売上全体の国内売上比は32.3%であるのに対し、アジアは45.5%となっています。
確かにインドではタタモーターズが30万円ほどで買える車を作ったりと、アジアでは安くて小さい車のニーズが高いそうですね。
アジアでシェアを伸ばすことができれば、まだまだ成長できそうな気がする反面、脱ガソリンエンジンというものを見越していく必要があるような気もします。
配当利回りと株主優待
第153期の配当金は年間1株当たり74円と、配当利回りを計算すると1.55%と他メーカーと比べると見劣りするところです。
株主優待は静岡の日本茶が普通のリーフタイプとティーパックになったものが貰えます。
こちらもメルカリで売れば1200円程度で実際に売られているようですけど、お茶は日常生活でも消費できるものですし、何よりいいお茶は香りもいいですし美味しいので消費するのがいいかもしれませんね。
カワサキ:川崎重工業(7012)
実はカワサキのバイクは友人のバイクに乗らせてもらったことはあるものの、レンタルを含め乗ったことがありません。
そこでカワサキのバイクは色々面白いことを言われてたことがありますので、そんなエピソードをご紹介します。
なんでオイルが漏れるの?
そりゃあ、オイルが入ってるからだよ!!
エンジン、ガラガラって壊れた音がしてない?
音が出ている間が正常。音がなくなったら壊れてる。
どこまでホントの話か知りませんけど、結構バイク乗りの間でもこれらは言い伝えられてきました。それでもカワサキを愛するファンの人は大変多く、人気のゼファーやNinjaをはじめとして、これまでのバイク史のなかにも多くの名車を残してきました。
最近ではH2R(レース用の市販車)、1000ccで300馬力、最高速400km/hという記録を樹立しています。
自己資本比率は低め
売上高(億) | 16,600 |
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総資産(億) | 18,388 |
自己資本比率 | 25.9 |
ROE | 5.46 |
営業CFマージン | 6.88 |
PER | 15.51 |
PBR | 0.85 |
陸海空の輸送機
川崎重工業はバイクだけでなく船舶や飛行機、鉄道といった輸送機の製作を手掛けています。
航空機では自衛隊をはじめとして、ボーイングの機体の作成をしたり、その技術を活かしてすでに宇宙ゴミの除却時向けたアンテナを設置したりと、見えないところで大きなものを作っています。
またエネルギープラントなどのまさに重工業をになっている会社の一つです。
全体で見てもバイクをはじめとするモーターサイクル部門の割合は2割、さらにバイク自体の売り上げは先進国、新興国を合わせても11%程度となっています
年間配当と配当利回り、優待は?
年間の配当は1株当たり70円が予定され、配当利回りは3%強となります。
個人的な運用方針としては、NISA口座でないと配当に課税されるので、少なくとも3.6%ほどは欲しいかなとは思いますので魅力に欠けるかなと思います。
そして株主優待も現在準備されていません。
カワサキワールドの入場優待でもいいからくれればいいのになぁ
カワサキワールドは私も言ったことはないのですが、神戸にある川崎重工業の博物館です。
中にはバイクはもちろんのこと新幹線や船舶といったものの展示がされているそうなので、小さいお子さんをお持ちの方はぜひ訪れてみてください。
▽回りますので見てみてください
未来のライダー養成にwww
まとめ:バイク乗りとして気になった銘柄は?
一バイク乗りの私としては、年4回配当の本田技研工業も気になりましたが、やはりヤマハ発動機と川崎重工業が気になりました。
ヤマハ発動機は、そもそもヤマハファンというのもありますが、得意の多角経営で海外をはじめとしてまだまだ成長できると思いましたし、何より高配当であることも魅力です。
個人的にはもう少し配当利回り欲しいところですが、川崎崎重工業に至っては電車や航空機に関する技術やプラントの技術は今後も世界で伸ばしていけるように思います。
いずれのメーカーもバイク事業はあくまでその一つですし、販売網はすでに海外へ広げていることから、「バイク人口が減ってるのにバイクメーカーの株って大丈夫?」というような心配はいらないことが分かりました。
▽こちらもバイク銘柄
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