携帯電話が普及して、いよいよ腕時計をすることがなくなったという方は多いと思います。
でも最近はスマホにカメラや個人データ、証券などの取引もろもろアプリという形で依存することが多くなったので、スマホを落として割ったり破損したりすると実生活に大きな影響が出ますし、ちょっと時間を確認するときには腕時計というものは意外と重宝するものです。
以前の私も腕時計は不要派だったのですが、いざ使ってみると大変便利なアイテムであることに気づき、最近は腕時計をすることが多くなりました。
もともと父が時計が好きだったこともあり、色々物色してるうちにハマっていった感じです。
特にある程度手を入れない機械式というのは男心をくすぐるものがあります。
腕時計というと、ロレックス、オメガなどの舶来ブランドが有名ですけど、日本にも素晴らしい時計があることから、今回は腕時計の国産メーカーについてまとめてみます。
SBI証券で「腕時計」というワードでスクリーニングしたところ、以下の3社が引っ掛かりました。
ここへ、私の個人的な趣味で、セイコーエプソンも入れたいと思います。
まずは各社の株価と配当利回りを紹介します。
セイコー | シチズン | カシオ | セイコーエプソン | |
---|---|---|---|---|
銘柄コード | 8050 | 7762 | 6952 | 6724 |
株価 | 2,697 | 536 | 2,049 | 1,620 |
配当利回り | 2.78 | 4.10 | 2.31 | 3.83 |
配当利回りは直近1年での配当金で算出しています。
シチズン、セイコーエプソンあたりが配当高めなのね…
※以下IRbankのデータをもとに作成しています。
SEIKO:セイコーホールディングス(8050)
国内で有名な時計メーカーというと、やはりセイコーは外せないところだと思います。
特に上のグランドセイコーなんかは世界的にも非常に評価も高く有名な腕時計ですし、逆に下のセイコー5は安価でありながら高い信頼性からやはり人気の高い時計です。
自動巻きでこの値段かっ!!
売上高(億) | 2,473 |
---|---|
総資産(億) | 3,030 |
自己資本比率 | 36.0 |
ROE | 8.47 |
営業CFマージン | 7.08 |
PER | 12.38 |
PBR | 1.06 |
時計販売事業が大半
こちらはセイコーの事業別売上高を円グラフにしたものです。
時計事業が55%を占め、次いで電子デバイスが20%となっています。
セイコーの腕時計はセイコーインスツルでムーブメント(内部の動力元)を作り、また販売をしていますが、これらムーブメントの販売にかかわる売り上げもこの中に入ります。
電子デバイスといとピンとこないかもしれませんが、コンピューターのハードディスクをはじめとして、プリンターやカーナビ、タクシーの決済システムやデジカメのシャッターなどに利用されているそうです。≫身の回りで活躍するセイコーの製品
日本に依存するセイコー
2020年3月期第2四半期決済説明会の資料によりますと、セイコーの地域別売上比率は6割近くを日本が占めています。
売上もパッとしないわね
株を買って企業を応援するより、時計を買って応援したい気分かも・・・
セイコー発のクオーツショック
腕時計に限らず、時計の時間を合わせたことないよっていう人多いと思いますけど、それはセイコー(セイコーエプソン)が開発したクオーツのおかげです。
最近では電波時計といったものもありますが、誤差が限りなく小さいので今でも多くの時計に使われています。
そのクオーツを使った市販の腕時計が発売されたのが1969年、その後セイコーがクオーツ時計の特許を公開し腕時計の価格が急激に進んだため、時計で有名なスイス勢はこれをクオーツショックと呼ぶまでになりました。
興味がありましたらこちらのウィキでご覧ください。≫クオーツショック
CITIZEN:シチズン
私が高校生になって初めて買った腕時計がシチズンでした。
比較的安価な時計も多いながら、高額なブランドでいうと「ザ・シチズン」
グランドセイコーの対局を担う時計で、以前商品説明を聞いたときには、時計の修理の時には自宅まで取りに来てくれて、修理納品してくれるとか…。
品質の高さが伺えるものでした。
売上高(億) | 3,216 |
---|---|
総資産(億) | 4,139 |
自己資本比率 | 62.2 |
ROE | 5.19 |
営業CFマージン | 6.19 |
PER | 14.87 |
PBR | 0.68 |
時計事業の依存度は高いながらも、日本への依存は少ない
こちらは2019年3月においてのシチズンの事業別売上比率と地域別の売上比率を表したものです。
これを見る限り、半分は時計事業に依存していますが、地域別でみるとセイコーと比較して日本への依存度は少ないように感じます。
配当と株主優待
時計関連の会社のなかでは高配当のシチズンですが、中期経営計画2021のなかで、配当や自社株買いの株主還元方針を従来の「3年平均で30%」から「3年平均で60%」に引き上げています。
3年平均というと株主還元が高いときもあるし低いときもあるって感じかな?
また株主優待も設定されておらず、株主還元は配当によってのみ行われます。
CASIO:カシオ
カシオで有名な時計といえば、なんと言ってもGショックではないでしょうか。
ベビーGと呼ばれる女性向けの商品もあって、いろんな層に愛されて様々な種類のGショックが販売されました。
「でも、意外とGショックって高いんですよね」という層には「チープカシオ」と呼ばれる安価モデルが地味におすすめです。
1000円台で購入することができ、最近は様々なモデルが発売されています。
売上高(億) | 2,981 |
---|---|
総資産(億) | 3575 |
自己資本比率 | 59.2 |
ROE | 10.46 |
営業CFマージン | 6.96 |
PER | 22.09 |
PBR | 2.34 |
売上高で大半を時計部門が占める
カシオといえば社名にもなってる計算機はもとより、電子辞書なども多く発売されています。
ところが一番多く売り上げに貢献しているのが腕時計「Gショック」2018年度の売上2982億円の内1718億円がGショック。6割近くを占めます。
まさか、ここまでとは・・・
Gショックをもとにスマートウォッチ市場へ
カシオは以前、Gショックの技術をもとにしたG’zoneというガラケーも作っていました。
建設現場でも壊れにくい、安心して使えるという理由で持っている職人もいましたが、この他にも現場で重宝したのがデジカメ。
防塵防水耐衝撃というカメラは現場では大変重宝しましたが、これらからは撤退。
現在はやはりGショックの技術を武器に、スマートウォッチでの市場開拓を狙っています。
オリエントスター/オリエント:セイコーエプソン
セイコーエプソンってプリンターのエプソン?と思われた方も多いかと思いますけど、セイコーエプソンはオリエントという時計メーカーを2017年に買収して、時計自体の販売も続けています。
セイコーエプソンが買収した大きな理由の一つがウェアラブル部門の強化のためではありますが、実はこのオリエントスターの作る時計が、かなり美しいので好きなのです。
5万円ほどで国産の機械式腕時計
売上高(億) | 10,896 |
---|---|
総資産(億) | 10,383 |
自己資本比率 | 52.0 |
ROE | 9.94 |
営業CFマージン | 7.06 |
PER | 20.76 |
PBR | 1.05 |
直接関係はないがセイコーが大株主
私が以前気になって調べていた時に一番最初に気になったのは、セイコーの時計はセイコーエプソンで作られているの?エプソンのプリンター作ってる会社とセイコーの時計って同じ会社なの?といった事でした。
実際にセイコーエプソンのHPでもセイコーの時計が紹介されていますが、もともとエプソンの創業者がセイコーの創業者の時計店に勤めていたことから深い結びつきがあり、現在もセイコーホールディングスはセイコーエプソンの株式を保有しています。
セイコーエプソンのウエラブル事業は全体の15%
セイコーエプソンのメインの売上としては、ご存知のプリンター事業が66%を占め、ついでプロジェクターなどのビジュアルコミュニケーション事業が約18%程となっています。
オリエントやオリエントスターなどの時計、スマートウォッチなどは全体の15%となっています。
また地域別に見てみると国内が23%となり、海外での売上が大きいことがわかります。
株で保有するのもいいけど、個人的に好きなオリエントスターは目で見て楽しみたいかな
まとめ
各社の時計事業への依存度で一番高いのは意外にもカシオ計算機、次いでセイコー、シチズンという順番でしたが、各社とも自己資本比率も高い会社ばかりですね。
カシオ計算機とセイコーエプソンは日経225とJPX400、シチズンは日経225に組み込まれています。
シチズンなんかは株主還元が60%と高めの設定をされていますので高配当ですし、株価も安いので単元株で保有しやすいといった面もありますが、カシオ計算機なんかはGショック依存度が高くてちょっと興味沸きました。
また各社が狙っているスマートウオッチ市場へは、これまで培ってきたGショックのブランドは有利になることでしょうけど、やはりこの市場で一番強いのはアップルウォッチでしょうかね。
コメント