私には自閉症スペクトラムと診断された息子がいます。
身長もグッと伸び、妻の背を追い越し、靴のサイズは私とほぼ同サイズになってしまいました。
息子が大きく育ってくれるのは、親としては頼もしくもあるし、嬉しいことでもあるわけですが、とうとうこの春には小学校を卒業し中学校に進学します。
その際に発覚し、後悔していることをお伝えします。
小学校は2年生から特別支援学級に変わった
小学校1年生の時には普通級に進ませました。
最初は本読みなども覚えられる程度の内容でしたし、数字やひらがなの書き方などでついていけたようだったのですが、次第に宿題、特に国語でつまづくようになりました。
毎日泣きながら宿題をする子を見て、さすがに2年生以降は普通級で進むのは難しいと思い、特別支援学級に変更しました。
ちなみに特別支援学級への変更は年度の途中でも可能ですが、教育委員会などの判断が必要なため「じゃあ来週から」というわけにはいきませんので、事前に相談しておくといいです。
特別支援学級のクラス分け
以前は特殊学級などと呼ばれていたのを記憶されている方も多いと思いますが、ウィキペディアによりますと、2006年に呼称の変更されたようです。
特別な支援を必要とするクラスという事で、さまざまな障害に対応するようにクラス分けがされます。
息子の通う小学校では、以前は3つの教室がありましたが、現在は2つの教室があります。
- 知的(←現在ここ)
- 情緒
- 身体(生徒がいなくなったため、数年前から閉鎖)
そのほかにも町内の別の小学校では、娘が一時期検討していた難聴学級といったクラスが設けられていました。
知的障害教育
現在通う知的障害クラスというのはこういうところです。
知的障害特別支援学級は、日常生活において使用される言葉を活用しての会話や身近な日常生活動作にはほとんど支障がない子供が対象となりますが、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場面の中で生かすことが難しいという知的障害の特性は、知的障害特別支援学級に在籍する子供にもみられます。そのため、特別支援学校(知的障害)と同様に、実際の生活場面に即しながら、繰り返して学習することにより、必要な知識や技能等を身に付けられるようにする継続的、段階的な指導を行っています。
知的障害教育:文部科学省
上の様なカリキュラムで行われるので、 小学校6年生が特別支援学級で学習していることは、当然同学年の勉強は出来ていません。
元々苦手だった国語は小学校3年生の教科書を使ってますし、算数は5年生から6年生のものを使っています。
理科や社会といった教科は生活の時間を使って、補足的に学ぶにすぎません。
中学進学への不安
小学校1年生に入学したのはついこのあいだだったように思います。
うちの場合には息子の交通事故などもありましたが、やっぱり6年という月日は振り返ってみるとあっという間でした。≫ 交通事故の被害者の生活をちょこっとだけ語ってみる
そして次の3年はもっと早い。
中学卒業後の進路はどうする?高校?就職?
という情報を仕入れておく必要がありますが、それ以前にするべきことは、中学生活をどう送らせるか、親としてどういう教育を受けさせたいかという事です。
そこで中学校での特別支援学級について、教育委員会と相談してみました。
教育委員会と相談
最初は「タブレットやパソコンを使った授業ができないか」といった内容でした。
近年、予備校の先生?なんかが授業をアップロードしているYoutubeなどがあるのはご存じの方も多いでしょう。
自宅ではそういったものを見せながら、学校授業との整合をとっていければいいなぁという期待でした。
こうした思いを伝えたうえで、教育委員会と小中学校側と相談をしてもらったところ、思いがけないことに事態は変わりました。
それは、中学校からの自閉症・情緒クラスへの移動です。
自閉症・情緒障害教育
自閉症・情緒クラスというのはこういうところです。
特別支援学級では、情緒障害のために、通常学級での教育では十分に成果が期待できない子どもが在籍して、基本的には通常の学級と同じ教科等を学習しています。それらに加え、自閉症などの子どもには、対人関係の形成や生活に必要なルールなどに関することを学習しています。
自閉症・情緒教育:文部科学省(リンク切れ)
文面からは明らかに知的クラスとは違った教育が受けられそうな期待がもてます。
知的クラスに通えば普通科高校への進学に関する学力を身につけることは難しいでしょうけど、情緒クラスで学習すればひょっとしたら普通科高校への進路も開けるかもしれません。
ただ小学校の5年間を知的クラスで過ごしたため、国語や社会、理科と言った教科は圧倒的な遅れがあるため高校の普通科に進むのはちょっと大変かもしれませんが、勉強の進捗次第ではそれが可能になった訳です。
こちらの学力補充に関する情報は後日書いてみたいと思います。
もっと早く行動すればよかった
何が言いたいかというと、子供の発達の過程や特別支援学級で少人数によって教育を受けることで、 学習面での症状が改善する可能性があると言う事です。
同じ算数でも文章題の問題は相変わらず難しいのですけど、計算式であれば同学年の算数が苦手な子より回答できるようです。
なかなか教師や教育委員会側からクラス変動への提案を受けることは難しいでしょうけど、学校との面談の時などに、こちら側から提案や相談(例えばうちの子の場合、算数は普通級で勉強できないか?といった内容)をしてみることはアリだなと思いました。
教育委員会は柔軟に対応してくれる
これは自治体にもよるかもしれませんけど、思ったより教育委員会は柔軟に対応してくれます。
昨年は娘のために10万円以上するロジャーフォーカースを購入してくれたりしましたし、回りの自治体でもいろんな障害をもつ子供のために高額な機材を購入してくれたりという実績もあります。
今回は「中学からタブレットなんかで学習面をフォローしてもらうことはできないか?」という相談からこのような措置になった訳で、教育委員会で子供の学習面の相談をしてみるといいと思います。
特別支援学級は障害を持つ親同士の情報交換の場
特別支援学級は、うちの子をはじめ、障害を持つ子供の親の情報交換の場としても役に立ってます。
今回「タブレットを使えないか?」という相談も、小学校の時に同じく特別支援級に通っていた子が中学に進学し、得意な科目は普通級で勉強をはじめたという話を聞いてきたからです。
現在その子は地元の県立高校への進学を目指しているとのことで、うちの息子もひょっとしたら地元の県立高校への進学が可能になるかもしれません。
うちの子供も特別支援学級の方がいいのだろうか?と思われている方がいらっしゃれば、こういうクラスに通う子供の保護者は意外と知らない情報を持ってたりすることがあるかもしれないので相談してみるといいかもしれませんよ。
まとめ
息子にしてみると間もなく小学校生活が終わろうとしています。
算数そのものは掛け算を4年生くらいでも間違って苦労していたのですけど、5年生くらいから一気に伸びたような覚えがあります。
伸びた頃に、教育委員会や学校サイドへこういった提案をしていれば、ひょっとしたらもう少し違った教育を受けさせてやれることがあったのではないか?と後悔しています。
子供はどんなきっかけっで伸びるかわかりません。
もしも学齢に追いついている得意な科目などがあるようでしたら、学校や教育委員会などに相談してみてはいかがでしょうか。
▽こちらは放課後デイサービスで教わった知育アプリです。
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