うちには交通事故で高次脳機能障害になった息子と自閉症スペクトラムと診断された息子がおり、精神障害の手帳が2冊あります。
自分の子たちが将来自分で収入を得て生活できるか?というのは私に限らず親としての心配事の一つだと思います。
もちろん私たち親は子供たちと同じように歳をとるわけだし、いつまでも子供たちの口へ食べ物を運ぶ親鳥ではいられません。
そういう時にすがりたいのが障害者枠という雇用形態な訳です。
大企業であれば企業年金だとか待遇という面で、私が働く地場の企業より良い待遇で雇ってもらえる可能性があるのであれば、最後はそこに頼りたいと思う訳です。
障害者雇用促進法
2018年4月から改正された障害者雇用促進法によりますと下記の様に改正されます。
平成30年3月まで | 平成30年4月から | |
---|---|---|
民間企業 | 2.0% | 2.2% |
国・地方自治体 | 2.3% | 2.5% |
都道府県等の教育委員会 | 2.2% | 2.4% |
つまり「50人に1人以上(事実上2人)は障害を持つ人を雇いなさいよ」という訳です。
さらに以前は身体障害者もしくは知的障害者といった区別もあったようですが、この改正で精神障害者も含め雇用の対象となります。
障害者の雇用水増しのニュース
国の中央省庁
障害者雇用水増し問題 原因究明へ検証委が初会合開催へ
→不正算入がいつから始まったのか、故意によるものか単純なミスなのかなどを調査する
https://t.co/RJjyOAJyHW— 産経ニュース (@Sankei_news) 2018年9月10日
民間企業でも
【炎上】テレビ朝日が障害者採用ページに検索避けの「noindex」を仕込んでいる | netgeek https://t.co/6yBb503lgx pic.twitter.com/g0oZpz62PL
— netgeek (@netgeek_0915) 2018年8月30日
こちらの雇用人数などは知る限り明らかになっていませんが、障害者採用のHPにはnoindexといって、検索しても出てこないように細工がされていたようです。
つまり「積極的に雇用したくないと考えてる企業」というレッテルを張られても仕方ない企業ですね。
そしてたまたま偶然にも朝日新聞でもnoindexというワードが組み込まれていたことから、さらなる批判を受けています。
法を司る最高裁
なんと最高裁でも水増しが行われていたようです。
【障害者雇用 最高裁でも水増し】https://t.co/f3DoscZrIY
中央省庁などが障害者雇用を水増ししていた問題で、新たに衆院事務局や最高裁など立法、司法の計8機関でも不正算入していたことが明らかに。いずれも法定雇用率を下回っていた。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年9月7日
おいおい、この国の司法機関までかよ
見えない障害の難しさ
車いすに乗っていれば、誰の目にも足が不自由、移動が難しいといったことが理解出来ると思いますし、誰しもケガや病気などで体が一時的に不自由になったことは一度や二度くらい経験はおありでしょうから、比較的理解しやすいのではないかと思います。
ところが、自閉症スペクトラムや高次脳機能障害という脳による障害だったり、内臓系の障害だったりすると健常者からの判断が出来ないために、そこに意識の隔たりがあるわけです。
実際同じ障害者1人を雇用するとしても、身体障害者の方が他の労働者の認知のしやすさも含めて企業側からすると雇用しやすいと思います。
官公庁で障害者雇用を水増しがばれたので、急遽CMで身体障害者の雇用募集をしていた。
そうですか、身体障害者だけなんですね。
知的障害者や精神障害者は除外なんですね。
国からしてこれだ。
企業が知的障害者や精神障害者を雇うわけないよ。— キッキとトット (@st_kaori) 2018年9月6日
だからと言って国や行政がこの対応は酷いですよね
障害の特性も程度もそれぞれ
ひとことに自閉症スペクトラムといっても、出来ること、出来ないことというのは異なるわけですから、雇用した側が疲弊するのは明らかです。
>VRによる自閉スペクトラム症の知覚体験ができる体験コーナーの設置
これは自閉症スペクトラムを持つ親としても興味ある。「中小企業のための障害者雇用支援フェア」を開催|東京都 https://t.co/Twtgva37ut
— ジロ@Jiroの端株投資奮闘記 (@JIRO_invest) 2018年9月11日
このVRがどの程度どういうものか興味はあります。
かと言ってそれを体験した人がどう感じるかはそれぞれでしょうね。
我が子の障害であっても理解しがたいことはある
実際に障害がある中でも、子供たちの世界という狭い範囲ではなんとかうまくやってるみたいです。
特に教師という立場の上の大人が目を光らせてくれてる間は特に問題もなさそうな感じです。
ところが、休日になって家族という小さな社会になった時には、子供にも甘えがあるのか少々厄介です。
我が子にいくら障害があることが分かっていても、親も仏じゃないですからね。
頭に来ることもあるわけです。
親であってもそうなのに、利益を追求する企業がイチイチ従業員を集めて、この人にはこういう特性があって・・・なんて勉強会をしてくれるとも思えませんし、理解してくれるとも思いません。
心のバリアフリーは遠く長い道のりですねぇ
障害者の雇用改善を求む
法の上で給与や待遇に差をつけてはいけない
法律上は「給与面だとか、雇用待遇などに健常者と差をつけてはいけませんよ」ということにはなっているそうです。
ところが多くの企業での実態はそうでもないと思うのですね。
一時期ツイッターで障害者虐待の動画が炎上していたことがありますが、多かれ少なかれこう事の起きている企業というのはそこだけではないと思うのです。
一方で良心的な企業も
先日帰省した際に、音楽療法などで障害者との関わりも多い実姉から聞いた話ですけど、100円均一で有名な「セリア」で働く障害者の話を聞きました。
給与面でも待遇面でも良好で楽しそうに働いてるそうです。
セリアだけではないでしょうけど、きちんと法に則って雇用されている会社もあることは忘れたくないものです。
国民総活躍時代の前に行政からも改善を
障害者自体、昨日今日突然増えたわけでもありませんから、障害を持つ子供の両親は何かとご苦労されてきたと思います。
むしろ、発達障害というものを知らずに苦労して生きてきた方も、そのご両親もいらっしゃるわけです・・・が、親がいつまでもメシ食わすわけにはいかんのです。
にも関わらず国レベルでこの程度かということには、落胆したというほかないです。
息子も進学しなければ2年後には就職活動です。
安倍さんが1億人総活躍社会なんて綺麗事言ってる場合じゃなくて、国ももう少し積極的に取り組んでいただきたいと思います。
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