会社でふと後輩が…
あれ?シャープの株ってこんなに高かったでしたっけ?
といった話から少し投資の話になって盛り上がってました。
実はこのゴローちゃんの奥さんは結婚前にトヨタ自動車の株を保有してたらしく、「今売れば〇〇万円儲かったのに…」といったことがたまに話題になるそうです。
身の回りでもそういったタラレバを聞いたことある人もいるかもしれませんが、「株は買うのは簡単、でも売るタイミングは難しい」と言われるように、いつ手放すかといったことで大きく利益が変わってくるものです。
なのでマネー雑誌なんかで「次のテンバガー株はこれ!」なんていう企画があったとしても、それを持ち続けられるかどうかというのは全く別物なのです。
「結局持ち続けるのって難しいよね?」という話から、「次の暴落の時に今の資産を持ち続けることができるのかな?」といった話になりましたのでご紹介したいと思います。
利益を失うことを恐れるあまり保有することができない
じゃあなぜ含み益の状態で保有し続けることができないのでしょうか??
利益の後の損失はストレスが大きい
あなたが1万円を手に入れたとします。その後不測の事態で1万円を手放さなければならない場合、本来であればプラスマイナス0になるはずです。
一方、不測の事態で1万円手放したものの、その直後に1万円を手に入れたとします。こちらもプラスマイナス0になってるはずです。
どちらもスタート時点に戻っただけなのに、本能的に損失を嫌う人間にとって、この例のように「あったはずの利益を失う」というのは大きな損失感を感じるため、多くの人は前者の方が損失感が大きいのではないでしょうか。
含み益を保有し続けられないのはプロスペクト理論で実証された行動である
収益(含み益)が出ている状態は損失を恐れ利益確定に走りやすく、逆に損失(含み損)が出ている場合には、確定させるのを恐れて損切できないといったことはプロスペクト理論で実証された人間の心理的なものなのです。
プロスペクト理論というのは、1979年にアメリカのカーネマンによって発表された論文で、2002年にはノーベル経済学賞を受賞しています。
ですがこの10年というのは、取り立てた経済危機などもなくほぼ右上がりに株価が上昇してきたことから、保有し続けて来られて人も多くいらっしゃると思いますが、こちらのツイートをご覧ください。
こちらは米国のS&P500のチャートですが、最近よく見るのは本当に「都合のいい10年」の部分が出回ってるなと感じています。
本当の暴落は一瞬、そして長い
「登り百日下げ十日」と言われるほど暴落は一瞬
株価などは何日もかけて上げてきて、下げるのはほんの数日で落ちるという様子を表した投資の格言で「登り百日下げ十日」と言われるほど、下げのスピードは早いものです。
経済ショックなどが起きると「まだ利がのっているうちに現金化しよう」と考える人が多く、売りのタイミングが一度に重なるのも理由でしょうが、最近ではダブルインバースをはじめとする下がっても利益がでる投資商品が多く出回っていることも売りを加速させる一つではないでしょうか。
何はなくとも利食い千人力やで・・・
そんな暴落の中で利益を確定できればそれもよいかもしれませんが、利益を確定できなかったときには・・・
「天井三日、底百日」と言われるほど長い
今世紀に入ってからはITバブルの崩壊(2001年)や、直近といってもそろそろ記憶からも遠くなり始めたサブプライム(2007年)、リーマンショック(2008年)なんかがありました。
再びこちらナザールさんのツイートをご覧ください。
ツイートの中でナザールさんもおっしゃってますが、いつ回復するのかわからない経済状態の中で何年も含み損を抱えるというのは想像以上にストレスなのです。
いつ回復するかわからないというところが大事なとこです。
暴落時にはネガティブニュースが続く
それでも頑なに持ち続ければいいのかな?
それでも保有し続ければ回復の見込みがあるわけですけど、そういった暴落のときにはネガティブニュースがとにかく続きます。
2010年に起きたギリシャショック際には、EU圏では小国であるはずのギリシャが欧州の債務危機を引き起こすほどのニュースになりましたし、その欧州債務危機が引き金となり、その当時世界経済を牽引していた中国へも波及し世界恐慌のような大不況が来るとも言われました。
その後も事あるごとにギリシャの財政建て直しのニュースは度々話題になりました。
こんなニュースが毎日毎日入れ替わり立ち替わりで流れてくるんだから、メンタル持たないよ…
まあ、今となってみればそんなにヤバいことを引き起こしかねない状態は、どこかしらが渡りに船を出すに決まってるんでしょうけど、リーマンショックなんかは米国が救済をしていれば起きなかったかもしれませんし、日本株で言えばJALも日本政府に見放された感のある上場廃止でしたね。
こういったネガティブニュースが続くときには「売って楽になりたい」という気持ちになるものです。
上昇期さえ持ち続けられないのに、暴落時は持ち続けられない
私が直近で体験した暴落はトルコリラの崩壊かもしれません。
トルコの国民ですら自国通貨をドル転するという事態に、それまでトルコ通貨での運用に疑心暗鬼になっていた私は、10年という時間を運用していたトルコリラMMFを手放しました。
その損失は実に2/3の損失となりました。
改めてパニック売りになった時の怖さを知り、そして暴落時の乗り越え方を考えなければならないと感じました。
特に米国株などで為替取引がかかわると、下落時のスピードは一層加速する可能性もありますので、米国バンザーイなんて言っていると、本当に手を上げるようになるかもしれません。
まとめ
暴落時の乗り越え方としては「自分の投資を信じること」というのはかなり重要なファクターのような気がします。
以前日経新聞でものまね投資といったものが少し話題になったことがあります。
あれはあれで投資を始めるきっかけには良いと思いますが、利益も損失も自分のものであることをしっかり理解し、他人が言ったことを真に受けるのではなく「自分で判断する、そして判断を信じられるだけの経験を積む」ということは重要ではないでしょうか。
株価の下落に対して不必要に敏感になる必要はないかもしれませんが、今のこの経済が安定している時だからこそ「暴落時に乗り越えること」への備えもしたいものです。
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