久しぶりに含み損となっていた銘柄「日立造船」を単元株化させましたので、ご紹介したいとおもいます。
日立造船という会社名を聞いて、どんな会社だと思いますか?
第一印象としては、日立グループの造船部門というイメージが浮かんだのではないでしょうか。
日立造船だけど船は作ってないし日立製作所とは関係ない
日立造船の成り立ちは1881年(明治14年)にまでさかのぼり、イギリス人のE.H.ハンター氏により創業されました。
捕鯨船や日本初のタンカーなどを作るかたわら、昭和2年には大阪の堂島大橋も日立造船によって施工されています。
他の施工例としては東京ゲートブリッジや明石海峡大橋、広島空港大橋、海外では香港のストーンカッターズ橋にも関わったそうですね。
淡路島から見た明石海峡大橋 撮影:ジロ
2002年10月1日時点でユニバーサル造船株式会社に造船事業が移管され、現在は船舶用のエンジンを作る程度となっています。
また、気になる日立との関係ですが、Wikiによりますと「戦後の財閥解体のときに日立グループから離脱した」と書かれています。
その後も大株主として日立製作所が残っていたようですが、2018年の時点ではIR情報などを見ても日立製作所の名前は出てきません。
日立造船の事業
現在の日立造船の事業としましては、海水を淡水に変えるプラントといった水処理ですとか、先ほど触れました橋脚、トンネルを掘ったりするシールド掘進機、発電設備の付いたゴミ焼却炉、フラップゲート式の可動防潮堤などを作っています。
ただ、全体の受注高の推移としては2015年から徐々に下がってまして、あまり芳しくなさそうなイメージです。
日立造船の株価と四季報データ
株価 | 526 |
---|---|
1株益 | 12.9 |
PBR | 0.75 |
PER | 17.76 |
自己資本比率 | 29.8 |
ROE | 1.9 |
2017年10月に50株、2018年7月に50株購入しました。
日立造船を買おうと思った理由は全固体電池
前置きが長くなってしまいましたが、私が買おうと思った理由が全固体電池の存在です。
ヨーロッパで2040年にガソリンのみの車が販売できなくなる(ハイブリッドはOKと認識しています)のはご存じの方が多いと思いますが、すでにハイブリッドをはじめとして電気駆動による自動車というのは、街の至る所で見かけます。
それらがさらに普及するのに欠かせないのがバッテリーの問題かと思います。
全固体電池
現在のリチウムイオン電池の場合、充電にも時間が掛り、使用時間も決して長いとは言えません。
全固体電池というのは、現在の電解液を固体化することで安全性を高めたり、電気自動車の大きな課題の一つ、充電時間を大幅に短縮できる、省スペースにできるというメリットがあります。
下の動画では、現在使われるリチウムイオン電池の欠点、全固体電池のメリットなどを分かりやすく紹介されています。
もちろん、この全固体電池にはトヨタをはじめとして、各社実用化に向けて研究が進められています。
つい最近、NHKのサイエンスZeroという番組でも取り上げられたみたいですね。
JAXAと連携
全固体電池が地上で実用化されてもないのに、すでに宇宙へ飛ばそうとしています。
日立造船、次世代「全固体電池」 EV向け視野JAXAで実用
谷所氏は「まずは宇宙空間など特殊な用途で使ってもらい、生産の突破口にしたい」と述べ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けに開発を強化していく考えを示した。
https://t.co/HSkXF8ozyU— 全固体電池 (Solid State Battery) (@zenkotaidenchi) 2018年7月23日
逆にいえば、日立造船の全固体電池はこの段階まで進んでいる?ということかもしれません。
日立造船の配当・優待
配当利回り
配当は一株当たり12円を予定されており、配当利回りだと2.2%程度になります。
長期保有するのであればもう少し欲しいところですけど、値上がりの期待を込めて保有しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
---|---|---|---|
1株当たりの配当金 | 12 | 12 | 12 |
中間配当 | 0 | 0 | 0 |
期末配当 | 12 | 12 | 12 |
配当性向 | 34.3 | 34.5 | 93.2 |
2017年度の配当性向が93.2%となっており、業績のわりに無理して配当を出したかなぁっていう印象ですけど、その前の年などは30%代ですから一般的なレベルかと思います。
株主優待
ホームページでは「現在、特に実施しておりません」といった表記がされています。
いずれ業績が回復したときには考えてもらえそうな雰囲気ないですか?
全固体電池関連銘柄
銘柄 | コード | 株価 |
---|---|---|
日立製作所 | 6501 | 785 |
トヨタ自動車 | 7203 | 7382 |
パナソニック | 6752 | 1444 |
太陽誘電 | 6976 | 3315 |
村田製作所 | 6981 | 19625 |
TDK | 6762 | 12010 |
出光興産 | 5019 | 5010 |
旭化成 | 3407 | 1491 |
日立造船 | 7004 | 526 |
三菱瓦斯化学 | 4182 | 2500 |
古河機械金属 | 5715 | 1704 |
※株価は2018年7月末時点
この中で大本命は、上の動画の中でも出てきている全固体電池の第一人者、東京工業大学の菅野教授と研究を進めるトヨタ自動車かと思います。
またトヨタ自動車は、アメリカの電気自動車会社テスラにバッテリーを納入しているパナソニックと提携といったことも進めており、トヨタ、パナソニックあたりはかなり優位性の高い位置にあるかなと思ってます。
もっとも知らないだけで、ほかの会社もかなり研究は進めてるとは思いますが。
まとめ
スマホをはじめとして、まだまだ充電池の改善余地は多くあると思います。
実際に全固体電池が実用レベルで今のバッテリーが置き換わっていったら蓄電池といった分野にも革命が起きるかもしれませんね。
ちなみに、日本でも有数のテーマパークユニバーサルスタジオジャパン(USJ)ももとは日立造船の跡地の一部ということで、少し身近に感じました。
今のUSJの敷地も元は日立造船の工場だったので、朝の時間帯は意外と今と変わらず混雑していたのかもしれませんね。
ただ乗客の構成比率は今とは大違いだったでしょうから、静かな車内だったんでしょうね?— かずまっくす (@kazupy_usj) 2018年7月26日
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