FXって損しそう、破産しそう、怖いといったイメージをお持ちの方って多いみたいです。
実は私もそうだったんですけど、外国為替証拠金取引という言葉自体がすでに怪しそうじゃないですか?
そもそも証拠金っ何よ?
慣れてしまうとどうということはないのですが、その一つにはロスカットの仕組みがわからないといった人が多いみたいです。
そこでトラップトレードを始めるにあたって、ロスカットの仕組みをなるべくわかりやすく紹介したいと思います。
正確には各業者によってロスカットされるタイミングというものが異なるのですが、基本的な考え方はこの記事で紹介するとおりですので、一度ご覧ください。
FXの取引の仕組み
まず、FXって取引そのものがよくわからないという人も聞きますので、まずはFXの取引に関することからご紹介します。
株の取引の場合、10万円の株だと10万円のお金が必要になり、その後2万円の損失が出て株を売ると8万円手元に残ります。
そうなると、そもそも10万円もいらなかったんじゃないか?というはなしです。
そこでFXでは取引対象の10万円に対する証拠金を預け入れしておいて、預入した金額を担保としてその範囲内なら含み損が増えてもいいよというのが仕組みになります。
上の図では、最終的に6万円の含み損を抱えた時点で強制的にポジションが解消されます。
原則では必要証拠金は残りますが、あまりにも激しい値動きのときには必要証拠金すら残らず、追証となるケースも否定できません。
証拠金とロスカットの仕組み
FXには証拠金とつくキーワードがいくつか出てきて、このキーワード自体が各業者によって呼び方が異なるのも事実です。
ここでは預け入れ証拠金と必要証拠金といった2つのキーワードでお伝えしたいと思います。
預け入れ証拠金
まずFX口座にお金を入れた状態が一番上の状態になり、この時点では預け入れ証拠金といいます。
必要証拠金と取引可能額
FX口座にでは外貨の売り買いといったポジションを建てる際に、必要証拠金というものが必要になります。
これは法令で決められており、個人の場合には取引額の4%以上の証拠金、例えば1000通貨取引で豪ドル80円であれば、取引額そのものは80円×1000AUDとなり、80,000円相当の取引額となり、その4%ですから3,200円となります。
レバレッジの25倍ってどこ言ったんや?
3,200円で25倍の取引ができるってことやで。3,200×25したら80,000になるやろ?3,200円でレバレッジ25倍の8万円分の取引ができるってことや
(25で割るって言ったほうがわかりやすかったかな?)
この必要証拠金はどんな事があっても、最優先で最初のお金から差し引かれ、残りの額が取引可能額となります。
この取引可能額の範囲ならポジションを増やそうとどんな通貨を売買しようと自由ですが、取引可能額と評価損(含み損)が同額になった時、強制ロスカットが執行(一番下)されます。
タイミングなんかは各業者によってルールに差があるけど、大体こんなイメージです。
ナンピンすると必要証拠金が大きくなるから不利になる
よく思惑と逆に動いたときに買い下がり、売り上がりでポジションを持つ人っているんですけど、このナンピンを無計画に行うと必要証拠金が大きくなり、その結果取引可能額が制限されるので不利になります。
FXの場合にはこういった点に注意しておく必要があります。
トラップトレードのときのロスカットシミュレーション
実際にトラップトレードのロスカットシミュレーションをしてみたいと思います。
- ステップ1想定レンジとポジション数を考える
この図では80円から1円刻みで10本のポジション数としています
- ステップ2平均取得額を算出する
この場合(80円+71円)/2となり、75.5円が平均取得額となります。
- ステップ3取引可能額を算出する
今回は必要証拠金を3,200円として合計10本分なので、32,000円の必要証拠金となります。
入金額の10万円から32,000円を引くと取引可能額は68,000円となります。 - ステップ5ロスカットまでの値動きを計算する
ロスカットまでの値動きは以下の式で求められます。
取引可能額/総通貨量
※総通貨量=ポジション数×1000通貨今回取引可能額68,000円、総通貨量1万通貨なので6.8円となります。
- ステップ5平均取得額から値動きを引く
平均取得額は75.5円でしたから、6.8円を引いた68.7円が円高時のロスカットレベルとなります。
厳密に言うとスワップポイントや、それまでの損益によって誤差は出てきますが一つの目安にはなると思います。
同一口座で複数の通貨を扱うとロスカットレベルが分かりにくくなる
FX口座で扱われている通貨は、メジャーな米ドルやユーロドルをはじめとして、トルコリラ円やメキシコペソといったマイナー通貨まで取り扱われています。
当然なのですが、各通貨それぞれがバラバラの動きをしますから、同一口座で複数の通貨を扱うと、ロスカットレベルが非常に判断しにくくなります。
中には通貨同士の相関関係を考えて、複数の通貨でヘッジしあいながら取引していた人もいますが、かなり上級テクニックになるのと、万一の時の資金投入が必要になるので、私としてはおすすめしないです。
ロスカットを避ける方法
ロスカットを避ける方法としては2つの方法があります。
いずれの方法でもロスカットを回避することは可能ですが、実際にこの手段を講じているときには大抵の場合手遅れです。
上で行ったシミュレーションは10万円で最大保有通貨量は1万通貨となるものですから、最大80万円分の取引を10万円で行おうとしているわけです。
資金を追加投入したところでレバレッジを効かせている取引の場合には焼け石に水の場合もありますし、被害を大きくするくらいなら素直にロスカットさせるのも一つの手段かも知れません。
どうであれ、損切りなしの塩漬けトレードを行う場合、この最悪のケースを想定したポジション管理が必要になります。
まとめ
FXはロスカットの為替レートを想定できると、資金管理もしやすくなります。
ただ経済ショックによる為替の動きの場合には、本当に一瞬で大きく値を動かすこともありますし、一方的な動きにどこまで資金を突っ込めばいいのかわからず不安になります。
差金取引の弱点です。
とりあえず今回の目標は入金額以上の投資資金の回収ということが一番の目的となりますが、ロスカットには十分気を付けたいと思います。
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