昨年は息子の高校進学がありました。
ただ、交通事故で高次脳機能障害を負ってから対人関係的にはかなり難しく、進学先には結構悩みました。
学力的には地元の県立高校へ受かるぐらいの学力は十分にあったようなのですけど、学校生活は勉強面だけでなく共同生活の場でもあるわけだから、親の目が届かない間は学校での協力・理解が得られないと高校生活を送る事は難しいわけです。
私としては地元の県立高校へ進学してくれるのが一番理想と思いながら、検討の中には通信高校という選択肢もあり、オープンスクールへ行ったりもしましたので、ちょっとだけご紹介します。
※現在はその県立高校へ通学しています。≫ 中学校卒業で長男の義務教育が終わりました
地元の県立高校のメリット
地元の県立高校に進学するメリットは、親としては学費面、通学費などの経済的な理由がもちろん、学校でトラブルがあってもすぐ駆けつけられるというメリットがあります。
私もそうでしたが、この頃の子供としては定期を持って電車通学というのは憧れるものでしょうけど、うちは公共交通機関があまり充実した街ではないので、実際問題としては通学に掛る登校時間が圧倒的に短くて済むのは大きなメリットです。
雪や台風などの災害時でも近くであれば最悪歩いて帰宅することも可能ですので、親としても安心です。
高次脳機能障害による進学先の悩み
障害があると公立高校ではバックアップが受けられない?
さて、なぜ通信高校の選択肢を視野に入れたかというと、リハビリの先生達がいろんな事例を見てきた経験上、公立高校では個別フォローが受けられにくいといった話を耳にしたのです。
公立では生徒1人に対してフォローを得る事は難しく、付いてこれない生徒は置いていかれて大変な思いをする、その反面私立高校だと何かと先生がバックアップをしてくれて、卒業してきたケースがたくさんあるそうです。
でも、実際自分の高校時代を振り返ってもそんなことはなかったですし、息子自体もそこまで症状が酷いとも思えないんですね。
大体に私立だと生徒1人やめたら当然に学費が減るという問題が付いて回るからフォローしてるだけじゃないの?と思うわけです。
通学の問題
それじゃあ、私立高校を含め別の街の学校への進学をするか?という可能性も検討していた時期があります。
ところが冒頭でも触れたように、うちはなかなか公共交通機関が不便な街でして、そこで指摘されたのが通学の問題でした。
高次脳障害ゆえにバスの乗換えや電車の乗り換えといった臨機応変が出来ず、登校そのものに支障があるかもしれないという事を指摘されました。
決まったバスに乗って決まった電車に乗ることは出来ても、天候や交通渋滞でダイヤが乱れた時に機転を利かせて判断するということが出来ないみたいなんです。
こればかりは慣れや繰り返すことでなんとかなるとは思うのですが、脳の問題と言われてしまうと私たち親としては何も言えなくなりました。
進学先の科は?
地元の高校は普通科しかありませんが、普通科へ進ますのか、専門科へ進ますのがいいのか、もちろん全日制、定時制などの選択肢も多々あるわけです。
本人は「ゲームのクリエーターになりたい」なんて言ってるから、叶うどうこうは別として、親の私の立場としては最低限近くの公立の普通科へでも進んでおけば、その後の進学次第で本人の希望への進路も残る思いましたし、本人のやりたいことがぶれてる状態であえて専門課程へ進む事はどうだろう?と考えていたのです。
通信高校のフリースクール
そんな思いの中行ってきた通信高校のオープンスクール。
私たちが参加したのは、厳密に言うと通信高校のフリースクールというところで、全日制、定時制、通信制とある、通信制高校への通学をサポートするところでした。
普段はフリースクールに通いつつ宿題やレポートをこなし、定期的に通信制高校へ通って試験などを受け高校卒業資格を得るというところです。
フリースクールですること
フリースクールへ通うのは、本人の意思によるところが大きく、毎日通う生徒もいれば、週に1度程度しか通わない生徒もいるそうで、さらにフリースクールではゲームをしたり、もちろん勉強をしたりするそうです。
私の考える高校生活とはかなり隔たりがある場所です。
どんな生徒が集まる?
いろんな生徒がいるもので、学習障害を抱えた生徒やいじめなどで全日制の高校へ通えなくなった生徒、なかには留年して通う生徒もいたかもしれません。
校内も見せてもらいましたけど、見た目で障害がありそうな生徒もいれば、なぜここにいるの?と聞きたくなるような生徒もいましたが、やはり何かしら事情をもった生徒であることは違いなさそうです。
通信制高校で大学進学はできる?就職は?
実際に生徒が大学へ進学する、企業への就職という実績もあります。
でも、手放しには喜べない事実がありますので後述します。
就労経験
一番印象に残っているのは、軽作業とは言え就労経験を積むことです。
フリースクールの指導者が近隣の企業をまわり、内職レベルの仕事をもらってきて生徒が作業します。
それを納品して生徒はお小遣いをもらうそうなのですが、やはり障害などを抱えた生徒が作ったものの中には納品できないものもあり、生徒が帰ってから指導者が手直しをして納品をするという事でした。
その話を生徒のいないスクールの端の方で聞かされましたけど、前述した進学、就職した生徒たちは「就職しても特性があるがゆえになじめず、ここに返ってくる生徒が一定数いるんです」という話を少し悲しげに話されていました。
娘がフリースクールに通った知り合いの話
知り合いの娘さんが、やはり高校の友人関係に疲れて中退し、通信制の学校を卒業後専門学校へ行ってを経て就職したという話を聞きました。
私もそうだったのですが、通信制の学校というのは、学校の名前を聞いただけで、「あ、あの学校?」と偏見をもつ方もいらっしゃると思います。
なので最終学歴をその学校とせず、専門学校へ進ませたと言ってましたね。
「娘的には通信制の学校というところで同じ境遇の友達と一緒になって頑張ってた」って言ってたし、そういう話を聞くと「あ~、こういうところも有りかなぁ」とも感じました。
まとめ
オープンスクールというより、保護者への説明会という雰囲気の方が強かったのですが、結論的には「なし」の方向で考えていました。
理由は、
- 中卒からじゃないと入学できないわけではないと言うところ。(高校中退でも入学できる)
- 本人が受験から逃げ出しそうになっていたところ
まだ弟がいるから、親として進路の選択を持てたことはよかったと思いました。
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