まあちょっといまさら感はありますが、9月22日に行った円買い介入について書いてみたいと思います。
介入って国レベルで何億、何兆というお金を使って円を売ったり買ったりするので、非常に大きな為替変動が起きます。
なので私もFXをしていた2011年当時はこの介入というのは喜んで歓迎していました。
ところが、この介入によって一時的な利益は得られるわけなんですけど、徐々に自分の首を締めることになったのです。
果たして一国の為替介入くらいで為替の流れを変えることができるのでしょうか。
為替介入によって為替相場が反転するか?
実情を無視して投機筋のエサになる
22日に政府と日銀が円買い介入したときの為替レートは1ドル145円90銭だったとか。
それまでも介入の可能性についてもふれていたので、用心していた人やショートを仕込んでいた人は140円台前半まで円高が進んで爆益になったのではないかと思います。
じゃあこのあとは円高になるの?というとそうではなくて、145円後半には国レベルの介入が来る=そこでショート(円買い)ポジションを仕込めば一気に利益が出るということになりますし、そこまでは円安を公認したということになります。
なので海外勢はそこまで円安を進行させて、一気に円買いポジションに持ち変えるという手法によって莫大な利益を得るだけです。
介入のたびに他国の理解が得られるか?
今回アメリカは日本の為替介入に理解をしてもらえましたが、今後も同じレートで介入することについて理解をしてもらえたかというのは不明です。
そもそも円安によって日本が不利益を得る反面、利益を得る国があるのも事実なのでそれを一国の都合でたびたび動かされたのでは、困る国が出てくるのも確か。
そうすると、今回は理解してもらえたアメリカも、「そんなにたびたび介入したら怒るよ」というのが妥当なところではないかと思うわけです。
唯一為替レートを変換できるのは協調介入か?
円買い介入は24年ぶりだったとのことですが、そのときはアメリカとの協調介入。
協調介入は国の双方が、今の為替レートは不適切と認めるようなものでもありますし、介入額も大きくなるので大きなインパクトがあります。
なので、本気で円安を止めるためにはアメリカとの協調介入が必要になるところでしょうけど、現在のところ金融政策のによる金利差も大きく実際には難しいんだろうと思いますし、日本の他国に与える影響力や存在感が昔に比べて小さくなったんだろうなというのが感想です。
為替介入を期待してポジションを持つのは危険
介入直前に円買い注文を入れておいて、程々で利益を確定させるという手段を効率よく取れれば非常に大きな利益をうみます。
ただその介入がどの程度で入ってくるかもわかりませんし、果たして前回と同じレートで入ってくるかどうかもわかりません。
それを我々一個人が介入期待で入り込もうとするとどうなるか。
おそらく必然的にポジションは大きくなるでしょうし、その分精神的リスクも増える。
さらに大きな変動のときにはスプレッドも広がるために期待するほど大きなリターンを得られないという結果になるのではないでしょうか。
これは想像でしかありませんが、今アメリカのインフレが落ちつてくると金利も落ち着くだろうし、為替も以前の水準になってくるんじゃないかとは思ってます。
でも24時間動いている為替の世界。
無理なポジションを取ったりして夜眠れなくなるような投資は、なるべくやめたほうが投資が長続きするかもしれませんね。
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