いよいよ高3の息子が進路を決め始めました。
この子は小学生のころに交通事故に遭い、高次脳機能障害となってからも一生懸命勉強して県立高校に進学、悩みながらも理系を選択して何とか成績もみんなについてきました。
ただ高校物理はかなり難解だったようで、ここへきていろんな成績が赤点ギリギリにまで落ちたため、高校の先生からも今の成績のままでは(大学)進学は無理と言われました。
一般的なことを考えると勉強量が足りないという話になるんでしょうけど、高次脳機能障害というやつで多くのものを一度に処理するのが難しい息子にとってみるとそれでも目いっぱいのようです。
現在はリハビリの作業療法士さんから「専門学校でも進学してみては?」というアドバイスを頂きそちらをメインに検討していますが、それ以前は就職や障害者支援施設への入所などを検討していました。
障害を抱えた子供さんを持つ親に、少しでも将来の選択肢というものの参考になるのであればと少し紹介してみたいと思います。
障害を抱えた息子の進路
就職
まず学校の先生から提案してもらったのは障害者枠としての就職でした。
特に公務員という枠で入ることができれば、私達親としても安心できそうな気がしました。
ところが地元の役場に勤める友人に聞いたところ、募集枠はなし。
すでに障害者枠が埋まっているのか、はたまたそういう枠がないのか気になるところです。
ただふと考えました。
そういや、パソコンって使えるの?
よくわからん。
パソコンの使い方もわからんやつ企業も困るやろ・・・?
妻に子供たちにパソコンを触らせるために段取りしてほしいと言われ、2台段取りしたものの触ってるのを見たことがない。
不安は的中しました。
障害者職業能力開発校
そこで教えてもらったのが、障害者職業能力開発校というところ。
これは都道府県の施設で、広島県の場合にはパソコンを使った各職業訓練が受けられます。
障害によって受けられる訓練が異なりますが、ここへ行く一番のメリットとしては「パソコンなりのスキルを身につけられること」と「障害者を受け入れしてくれる企業のデータが高校からより選択肢が増えるのではないか?」と考えました。
オープンスクールもあるようで行ってみたかったのですが、今年はコロナウィルスの影響で個別での対応とのことでした。
気になる方はオープンスクールなど見学に行ってみるといいかもしれません。
障害者支援施設への入所
障害者職業能力開発校への進路の他には、障害者支援施設への入所というのも考えていました。
これも都道府県の施設です。
ここは障害の程度によって社会復帰までの支援を有期限でしてもらえますが、息子の場合には人との対話や日常生活で指示されたことをメモを取ったり、実際企業から請け負った製品を作ったりすることを経て社会生活で必要になりそうなことを支援してもらうつもりでした。
ただ実際に施設に見学に行った感想としては、妻と二人あまりいい印象ではありませんした。
ここへ来るのはもっと後でも良くない?
うん。そう思う。
やはり一言に障害者といえどその程度は人それぞれとはいえ、実際に感じたのはここでお世話になるほど重篤な状態ではないかな?と感じました。
専門学校への進学
息子は保育園の卒園時にこんなことを言っていました。
ぼくね、大きくなったらおもちゃ屋さんになりたいんだ。
でね、みんなにおもちゃを配るんよ(ニッコリ)
(出た出たwww)
おもちゃ配ったらお前がご飯食べれんだろ?
ん~、よくわからんけど、みんなが喜ぶんよ(ニッコリ)
最初は小さい子が「自分が遊ぶためにおもちゃ屋さんになりたい」って言うよくあるパターンかと思ったら、「おもちゃを配ったらみんなが喜ぶから」という息子に微笑ましく思ったものです。
そして今なりたいものはゲームクリエーター。
ある意味初志貫徹、思いを貫いた息子を誇らしく思いますが、やはりゲームクリエーターへの道は激しく険しそう。
ただ、パソコンのスキルは圧倒的に身につくだろうし、選択肢が増えればそれだけでも価値はあります。
むしろそこから職業能力開発校への道だってあるかもしれないし、それでも何か才能が開花してゲームクリエーターになれればそれに越したことはないです。
そういえば、色弱で赤が判断しにくいみたいだけど大丈夫かな?
デッサンとかじゃないから大丈夫かな??
卒業はできなくても、ゲームを作る知識は得てきてほしい
はっきりいって、卒業はできなくても仕方ないかなと思ってたりします。
でも、ゲームを作る技術はしっかり身につけてきてほしい。
というのも、きっとこの子は健常者枠で就職したら大変な思いをすると思うのです。
障がい者でも健常者と差別しては建前で言いながらも、業務面で差が出るのは明白だし、当然給与面でも全く同じというワケにもいかないかと思います。
そんな時にゲームアプリをつくることができれば、ひょっとしたら小遣い稼ぎができるきっかけになるかもしれません。
まあ、今は大手がこれだけ入ってきてるから、生半可なゲームでは無理だとはおもいますけど、可能性としてね。
障害者の進路の選択肢が分からないのは親も不安
みんな我が子の進路は心配なわけですが、特に自分が通ってきた道以外の選択肢を知らない場合にはなおさら心配なわけです。
幸い高次脳機能障害となったものの日常生活は自分で生活できますし、過去問題を見る限りでは専門学校入学の学力は問題なさそうです。
ただ、高校進学の時点では自転車には乗ってはいけない、一人で公共交通機関に乗らないほうがいいなどと言われました。
それは注意障害があるため、とっさに飛び出したりする可能性や、公共交通機関の遅延などによって変則的なダイヤになった時に対応できないとか、いろいろあるみたいです。
たださすがにもうそんなことは言ってられません。
いつまでも親がメシを食わすわけにはいかんのです。
なんとか無事に進学、卒業してもらって、新しい進路を見つけてほしい。
現時点ではまだ進路が確定したわけではありませんが、自分で選んだ道を歩き出した息子を応援したいと思います。
いずれ進路について決まっていけば報告兼ねて書いてみたいと思いますけど、まずはこんな選択肢があったよ、ということで。
こちらの本は実際に高次脳機能障害となった大和ハジメさん(ツイッター)の書かれた本(マンガ)です。いろんな苦悩を抱えつつ社会復帰をしていく経過を書かれています。
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