このブログでも何度か登場したトルコリラの話題。
私がFXを始めたのが2008年の秋ごろ、FXを始めたばかりの素人がリーマンショック直後の余波で儲かるわけでもなく「もう少し堅実な?投資を」と思ってSBI証券のサイトを見ていて目を付けたのが、なんとトルコリラ債券。
もともとはSBI債を買うつもりで資金を入れたのですが、売り切れてしまってて、目を付けたのがこともあろうにトルコリラ外債だったわけです。
今の自分でもびっくりですが、なぜトルコリラ債券だったかというと、こんなイメージを持ったからです。
自分にとっては結果的に高い勉強代についたわけですが、この保有期間を通して私が学んだことをまとめます。
数ある失敗例の中でもかなり痛い失敗でした。
10年前に買ったトルコリラ債券でいくら儲かった?
結論から申し上げると、約208,000円の損失でした。
投資した時のお金とレート
すでに買ったときのデータが残ってないのですが、5000TRYを33万3千○○円という、上3桁が3のぞろ目で購入したことは覚えています。
つまり、為替手数料を含めて、333,000円÷5000TRY=66.6円/TRYとなりますね。
ちなみにこの時のトルコリラへの為替手数料は片道2.5円でしたので、レートとしては64.1円/TRYくらいだったわけです。
現在、トルコリラへの為替手数料は1.5円まで引き下げられていますが、為替自体が10円台ですからね。
ただ、その当時は為替手数料は保有期間中に元が取れるつもりでいました。
そう、為替が一定であれば…
その当時のSBI証券で、「トルコリラ60円というのは最安値であって為替差益が期待できる」、「地理的に物や文化が行き交うところで繁栄が期待できる」といったSBI証券に寄稿していたアナリストの謳い文句に釣られました。
確かに、その当時は1トルコリラ100円から下がってきて60円台でしたし、リーマンショックのごたごたが治まれば反転して差益が狙えるのでは?と思いました。
円高のまま債券償還
購入したトルコリラ外債は毎月クーポンが支払われるものでしたから、少しずつでも保有する外貨が増えることで気がまぎれました。
問題は償還されてから。
トルコリラという、使い道のない外貨が手元に残ったのです。
今思えば、あそこで損切り兼ねて円転してればもっと被害は少なかったのですが、その頃はトルコリラ外債がまあまあ頻発されてましたので、次に手を出したのが既発債。
1000TRYの既発債権を購入
こちらは1000トルコリラの既発債券で、2年くらいの期間があり、半年に1回クーポンが支払われるものだったと記憶してます。
その当時はトルコリラMMFもなかったので、少しでも外貨を稼いで為替差損を埋めようと思いました。
それでもご存じのようにトルコリラの下落は止まらず償還。
そこへの出たのがトルコリラMMFだったというわけです。
トルコリラMMFので少しでも利回りを稼ぐ
MMFは短期の債券を保有することで、安定した投資先として期待できますし、なんといっても高金利通貨で有名なトルコリラです。
年換算で10%くらいの利回りになり、変に債券を購入するよりは機動性の面でメリットがあると思い当分保有してきました。
トルコリラの崩壊
2018年、その時が来ました。
トルコリラの崩壊です。
多くのトルコリラスワップ運用者たちがロスカットに見舞われ退場した人も出ました。
トルコとアメリカの騒動や、エルドアン大統領の独裁政権、近隣諸国との紛争。
とてもこれ以上保有したいとは思わなくなり、とうとうトルコリラを手放すことにしました。
各証券会社にコラムを書いているようなアナリストも、トルコに投資をしている人たちに向かって「あんたらがしてるのはそういうことよ」とツイートしてましたけど、お前と同じ仕事してるやつが証券会社に頼まれて宣伝してただろ?と怒れてきましたけどね。
まあ、それはそれ。その結果が20万円以上の損切りとなったわけです。
解約した時のお金とレート
こちらが最後の取引報告書。
最後は125,000円となり、約208,000円の損失となったわけです。
トルコリラ外債を通して学んだこと
手数料というコスト意識を持つことは大事
私がトルコリラを購入した時のレートが60円前半で2.5円の為替手数料、現在は10円台で1.5円の為替手数料です。
為替手数料が安くなったのは結構だけど、レート次第では片道で10%近くも手数料が取られることになるんです。
実は、初期の段階なら手数料を除けば、微損もしくは利益が上げられるチャンスというのは結構ありましたが、なんといってもこの大きな手数料の壁に阻まれたのは痛感しました。
利回りの高いものには何かある
トルコリラにせよ、南アフリカランドにせよ、高金利通貨に共通するのは脆いです。
高金利でないと調達できない理由があるわけで、これはソーシャルレンディングでも同じことがいえると思いました。
それでもその当時は新興国に対し、BRICs、VISTAと位置づけ経済発展を期待する流れがありました。
自分が安心できないものへ投資はしない
トルコリラ外債を買ったのは、格付け会社からのAAAを獲得していたからというのもありました。
ただ度重なる紛争、クーデターが起きる国というニュースを見て、自分の中でもトルコへは安心して投資ができないというのを着実に感じてきていました。
何年という単位でお金を投資する条件の一つとしては「自分が安心できる商品を選ぶ」という感情は必要かなと思いました。
FXにはない現物資産の安心感
その当時FXをしていた私が「なぜ現物の外債に走ったのか?」という理由は明確にわかりませんが、結果としてFXにはないロスカットとは無縁の現物資産の安心感というものは感じたように思います。
それが現在の端株投資につながっているような気もします。
外貨として使い道のない通貨での運用は避ける
私は過去に外貨預金をするなら米ドルをおすすめしています。
それというのも、8000トルコリラという外貨を持っていても、トルコリラでの運用先は債券かMMFしかなく、これは豪ドルでも同様です。
もしも私がトルコリラの高金利に惑わされずに米ドルを購入していれば、今頃米国ETFなどで運用していたかもしれません。
いまでもSBI証券ではインドルピー建て債券などが発売されていますが、 外貨としての運用先が限られた、新興国通貨での投資というのはFXにとどめておくほうが無難です。
トルコリラ外債は辞めておけ
トルコリラ外債に投資をしてから、9年と2年近い時が過ぎました。
前ブログのSeesaa時代からのトルコリラに関する情報を発信していました。今後この件に関し新しい情報を発信することはもうないですが、折角ですし何か残っていればこっちのブログに引っ張ってみるつもりです。
トルコという国、今更ながらいろんなことを考えさせてくれたなぁと思います。
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