圧倒的な人手不足に悩む運送業。
大袈裟かもしれませんが、いずれこのままでは日本の物流が止まる時が来るかもしれません。
結構深刻な問題に直面しています。
上場が噂され、物流の社会問題を解消してくれるかもしれない会社をご紹介します。
大型免許を取り巻く環境
まず、現在の日本の物流の多くをになっているトラック輸送についてです。
今の30代から上の年齢の方が取得されたことの車の免許と言えば、普通免許と大型免許の2種類しかありませんでしたよね。
その後中型免許などが設定され、さらに2017年からは現在はこのようになっています
車両総重量 | 最大積載量 | 取得資格 | |
---|---|---|---|
普通 | 3.5t | 2.0t未満 | 18歳から |
準中型 | 7.5t | 4.5t未満 | 18歳から |
中型 | 11.0t未満 | 6.5t未満 | 20歳以上かつ普通免許取得後2年 |
大型 | 11.0t以上 | 6.5t以上 | 21歳以上かつ普通免許取得後3年 |
うん、とっても複雑ですね。
この他に、この改定前に取得した免許には準中型5t限定、中型の8t限定などといった計6種の免許が存在します。
今回免許の話がテーマではないのでさらっと行くと、現行の普通免許で乗れるトラックはありません。
クロネコヤマトのクイックデリバリーと言ったトラックであっても、最低準中型免許が必要になるのです。
こういった免許制度のもと、乗る、乗らない別にして、(トラックに)乗れない免許が交付されているのが現状です。
免許取得費用
お子さんを持つ親なら免許くらいは取らせないとと思われる方もいらっしゃるでしょう。
現在普通免許の取得には、30万円ほど掛ります。
さらに大型免許取得までとなると、さらに30万必要になるのです。
実は建設業自体も人手不足に悩む業界ですが、運送業の人手不足が影響しています。
最近の大型ダンプや生コン車の運転手は非常に高齢化しつつあり、トラックはあっても運転手がいないといったことが課題になることがあります。
あと10年もしないうちにさらに深刻化することでしょう。
大型トラックの速度規制
昔は夜中の高速道路というと、大型トラックがもの凄い速度で走っているのを見たことがある人は多いと思います。
事故が多発したこともあり、現在では80km/hのスピードリミッターが取り付けてあります。
義兄も元長距離トラックの運転手でしたが、スピードが落ちる登りでも思うように加速させることができなかったりするのはドライバーさんにはかなりストレスのようで、義兄を含め多くのドライバーが離職したようです。
JR貨物は運送業界のドライバー不足解消なるか?
さて、そんな人手不足を助けてくれるかもしれないのがJR貨物です。
正式には日本貨物鉄道と言います。
ピギーバック輸送
画像が粗いので若干見にくいですが、まずはこちらの動画をご覧ください。
過去にはこういったトラックごと輸送するというピギーバック輸送というものが行われていた時代があるようです。
単純に考えると、無理に大型を走らさなくても、以前の普通免許で乗れる中型トラックで輸送して目的地で別のドライバーが乗りこんで配送すればいいのでメリットは大きそうですよね。
ドライバーの身体的負担なども減りますし、交通事故の減少、温暖化ガスの削減といった環境面でもメリットは大きい気がします。
「JR貨物」上場はいつ?
全国に鉄道網を持っているJRだからこそ出来るこの仕事ですが、意外と経営は厳しいのかもしれません。
JR貨物は2017年4月28日に2016年度の決算を発表し、鉄道事業で5億円の営業利益を計上した。同社の鉄道事業が営業利益を上げたのは、事業別に決算を開示するようになった2006年度以降では初めてである。さらにさかのぼると、JR貨物は2005年度に35億円の営業利益を上げており、11年ぶりの出来事だ。
鉄道事業での好調な決算は営業収益の増加と営業費用の減少とで達成された。営業収益は車扱(貸切車扱い)貨物による運送収入や受取保険金の増加によって1369億円と前年度の2015年度と比べて5億円のプラスとなり、営業費用は固定資産除去費などによる修繕費、それから動力費、人件費などの減少によって1364億円と前年度比33億円のマイナスとなり、前年度の33億円の営業損失から営業収支が改善されたからだ。
またこの続きの記事では、JR貨物が上場して市場からお金を集めるようになると、現在多くを負担しているJR旅客会社への線路使用料の引き上げといったコストの問題も書かれています。
まとめ
送料無料、翌日配達といったネットショッピングなどの普及で、物流のニーズは明らかに増えました。
今後はさらに、今のPCを使える年代の高齢化が進んでいった時にはネットスーパーというニーズが増えるかも知れません。
そうなるとドライバー不足といったことがさらに問題化する可能性もあります。
当然荷分けや輸送時間などの課題もあるでしょうけど、免許制度のことやドライバーの高齢化といったこともありますし、「末端はトラックで中間は鉄道に任せる」という方法も一案じゃないでしょうか。
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